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空虚惑星⊿X

何か有意義なことをしようと改めて考えてみたら、「アレ?何もやることないぞ!」と気が付いた星の人が綴る日記

2012 TD沖縄210kmロードレース①

ツール・ド・おきなわ市民210km記事:シクロワイヤード(写真も同左)
http://www.cyclowired.jp/?q=node/97158

ayano2012TDO20-200034.jpg

<スタート~与那>
夢を見た。

起きた時、まだ暗くて時間がかなりあったので2度寝に入ったのだが、次に起きたのはスタート時間の後だった、という全く笑えないストーリィ。
夢の中で、ボクは「じゃあ今から140kmレースのスタート地点まで行って、そこを走る」とかバカなことを言っていた。

怖い夢だった。本当に悪夢だ。
今まで育ててきた<想い>が無に帰る、振り上げた拳をどこにぶつけたら良いかわからないような、怖い夢。

3時半に目が覚めた。
ほっとした。ボクは走れる、それが嬉しかった。
本当は4時半に起きるつもりだったが、もう寝ることはできなかった。

寒いのとヒマ潰しを兼ねて、コンビニまで暖かい飲みものを買いに出た。
沖縄の自販機は温かい飲料を売っていない。
買えるかっ、こんなもん!と思わず悪態をついてしまう。

車の暖房を付けて、車内でゆっくりと朝食と着替えをする。
アップを始める選手もチラホラ見かけてきた5時からアップ開始。
1時間平地を走ってトイレを済まし、スタート地点に並ぶ。

スタートまで40分待たされた。
寒い。でもウインドブレーカーなどレースで邪魔になるものは着て来れない。
こんなときサポートがいればなぁ、ギリギリまでジャンバーが羽織れるのに、と思う。


次々とレースやサイクリングカテゴリーがスタートしていくなか、7時20分に210kmレースの号砲が鳴る。

いよいよ本番。
ボクは走れる。
ボクならできる。
スタート前までの不安が号砲と共に消え失せる。
不安なんて感じる暇はない。
挑戦が今始まる。


レース序盤。
今帰仁の半島を回り、58号線を北上して山岳に達する70km。
戦術と展開予測がフル回転する。

400人超でスタートし、集団で走るのだが、道路は最小2車線まで幅が狭まる。
細かい登りも点在し、今年の台風の影響で工事区間も激しく多い。
上手く展開を予測しないといけない。
集団のスピード変化で前後の選手が接触したり、いきなり障害物が現れて避ける拍子に左右の選手が接触する。
すなわち、落車が起きて巻き込まれる。

近い前後左右、遠くの前方をしっかり洞察しておく必要があるのだ。
落車をすればレースが終わる可能性が発生する。
運よく復帰できても、足を使って追いすがらなければならない。
ここでの安全運転は必須だ。
そして、安全に走るためには余裕がなければいけない。
足も、気持ちも、自転車のグリップのように余裕がなければいけない。

集団は遅くも速くもなかった。
丁度いい塩梅で進んでいる。どうやら逃げがあったらしいが、先頭がムリせず追っているようだった。

ボクの平地での能力は悪くない。
確かにトップアマには及ぶべくもないが、集団にいる以上、力を使う必要はない。
余裕はあるのだ。

落車に巻き込まれない定石として『誰よりも前に出る』というものがあるが、この段階でローテーションを組めるほどの実力はないので、先頭から100番目くらいを目指して集団に埋もれる。

後ろで落車の音が聞こえる。
振り返らない。
拍子に洞察を怠って別の落車に巻き込まれるわけにはいかない。

できるだけ集団の端を走るようにしていたが、展開によって右に行ったり左に行ったり、中央で待機したりする。
端から上がってくる選手がいるため、ジッとしていると集団後ろへ追いやられるので、ボクも展開で前へ上がる努力をしなければいけない。

右橋からイナーメの選手が上がってくる。
イナーメといえば有名チームだ。そういう選手の後ろなら安心して走れると思い、少し彼へ寄った。

彼を右前に見て走っていると、ボクの前を走っていた選手がよろけた。
イナーメの彼にもたれ掛かる。
イナーメの彼はうまく当て舵を取って押し返そうとしていたが、よろけた選手が復帰しない。
危ないと判断したのだろう、イナーメの彼はよろけた選手を嫌って態勢を退いた。。。

落車が発生した。
イナーメの彼は自転車を退いたのだが、倒れ込んだ選手を避けきれなかった。

後続が次々と叫び声を上げて追突する。
ボクは一部始終を見ていたので(3秒程度の話だが)寸でのところで左へ回避した。
助かったと思った。
3年前と同じ轍は踏みたくない。ボクは落車で一度沖縄をフイにしているのだ。


その後、58号線に出てもスピードは落ち着いて速かった。
道が広くなったこともあり、勝負所と踏んで右から左から上がってくる選手が多い。
本当は落ち着いて走りたかったがボクも前方をキープしたかったので、一気に50位くらいまで上がる。
これで落ちても山岳に入るまで100位キープできるだろうと思っていた。そんなとき、、、。

落車!!

ボクの2つ前の選手。
すぐ後ろの選手は追突、巻き込まれ落車。
ボクは右に回避運動を取る。
少し登りだったせいで速度がわずかに落ちていたのが良かったのかもしれない。タイヤはグリップし、うまくかわせた。

だが後続は止まった。巻き込まれていた。

多くの選手が巻き込まれたらしく、ボクの周りは数人しかいない。
あまりの散開ぶりに振返ると混乱している様子が見てとれる。

とりあえず、集団に戻るしかない。少し遅れたが先頭集団に戻る。
落車を回避したおかげで瞬間的なスプリントで追いつけた。足の負担はない。
落車で停止を食らった選手は足を使って追いすがってくる。
追いつけはするだろうが、少しだけ元気が減る。

ボクは近くまで迫った落車の影を無事すり抜けて集団に乗ってきた。
次の舞台は山岳。

戦術と展開予測はフル回転中。
武器はここにある。
切札だって用意した。
あとは折れない心と勇気だけ。

ここからが本当のサバイバルレースの始まりだ。
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