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空虚惑星⊿X

何か有意義なことをしようと改めて考えてみたら、「アレ?何もやることないぞ!」と気が付いた星の人が綴る日記

工場、炎上!

去る9月30日。
ボクの務める工場が焼けた…



…… (笑)

マジ、笑える!!
つーても、死傷者なし、工場も一部焼損に留まったから笑えるんだけどさ。


当日、ボクは時差出勤のため、いつもより遅い朝10時過ぎに出社した。
お気に入りの事務職の女性と軽く談笑して、『今日の滑り出しは良好だなぁ』と思っていた矢先、火災報知器が鳴った。

ダッシュで警報掲示板に向かい、どこの火災報知器が反応しているのか確認する。

おおよそ検討はついていた。
屋内で焚火をしているような機械があり、そこから出火というのは度々あることだった。
だから、そこの火災報知機が反応しているのだろう…と思ったのだが。

(!! あっちこっち反応している。 どこもかしこも? 光りすぎだろっ!!)

掲示板には場内のマップが描かれており、ランプが点灯して災害の場所を知らせる仕組みになっている。
ランプがどこもかしこも点灯しており、これではどこが現場かわからないような状況。

現場にいるハズの同僚に内線を掛ける。

「現場はっ?」
『いつもの場所みたいだ。消火している』

消火されれば、現場復旧となる。
そのためには屋上の配電盤操作が必要になるので、現場は同僚に任せ、ボクは屋上へ向かった。

―――――― !!!!!!

排気ブロワのダクトから煙が出ている。
それも尋常じゃない量の煙。
テレビで見る、機関車のように、濃い煙の粒子が舞い上がっていた。

再び内線を同僚に…

「現場は?」
『消火はした。煙がすごい』
「本当に? ぜんぜん消火されたように見えない。ダクトからの煙がすごい」
『いや、現場は消えている…』
「マジか…」

その後、消防を呼び、対処してもらうことになった。

場内の構造がわかる人、ということでボクが消防の相手をすることになり、放水を目の当たりにする。

どうやら、場内が燃えていたわけではなかった。
焚火をしているような機械がある、と、さきほど書いたが、屋内で焚火。換気が必要。
換気と言えば換気扇。
大きな換気扇屋外にあり、ダクト伝いに焚火機械の上にフィルタが設置されている。
このダクトが燃えていた。

機械が発した火を、換気する空気ごと吸い込み、ダクト内が炎上したのだ。

ダクトは薪ストーブのように高効率で燃え上がったのだろう。
入り組んだダクト形状のおかげで放水はあまり効果がなく、恐らくは、内部の油切れを待つ形で消火されたように思う。


消防の消火確認のあと、場内復旧となるのだが…

一部電気が流れない。

照明、コンセント、冷蔵庫などが動かないところがある。


天井裏に入り、状況確認をしたところ、電線が派手に焼けていた。
まわりのゴムが焼け落ちており、芯線が剥き出しになった電線は、漏電かショートするしかない状況だった。
それが、天井裏一面に広がっている。

(これはムリだろ…苦笑)

そう思っていたが、復旧はせねばならん。
現場検証を終えたボクらは、業者を手配する。

「すぐに業者がくるわけじゃないから、少しでもやるか?」

と、上司が言ったのを、"ウソでしょ" と思って聞いていたが、本気のようで、電線の補修を始めだした。

そして、上司とボクは天井裏でふたり、焼けた電線を切除し、新しい電線を継ぐ作業を黙々と続ける。



思うに…

火事の現場に当事者として鉢合わせることになるとは…

火事の初期対応をさせられることになるとは…

延焼場所に入ることになるとは…

あまつさえ、その復旧に携わることになるとは…

人生で、こんな場面に遭遇するとは、本当に思わなかった。



この会社、本当に勉強になるなぁ… (苦笑)




22時過ぎ。

とりあえず、照明とコンセントと冷蔵庫の一部が復旧した。

ここまでできれば、一応の製造ができそうだ。

最終的に、業者4名と上司とボクで現場の一次復旧を終了させた。

面倒な作業ではあったが、ものすごい経験値を積むことができたように思う。


真っ黒になった作業服を着替え、最後の確認をいろいろ実施して、帰ろうということになったのは1時だった。

ボクは翌日、休みであった。
「出勤しても良いですよ」 と上司に提言したが、大丈夫だ、と気を使われた。

それからはボチボチと復旧を続け、今に至っている。

まだ火事の傷跡は残っており、完全復旧とはなっていないが、現場は完全に稼働している。


社内では大きなニュースになっており、全国の系列工場の知るところとなった。



火事の原因は油の蓄積汚れ。

焚火で肉を焼くのだが、この肉に引火。
肉全体に燃え広がった火が、機械から飛び出し、換気扇フィルタに引火。
それを吸い込み、ダクトに引火。
ダクト内への放水が遅れたため、ダクトが薪ストーブ化。
ダクト外の触れるもの全てを延焼させて天井裏が壊滅的被害。

という流れだ。

汚れの指摘は何度もしてきた。
だが、現場がやろうとしなければ、何も変わらない。
ボクらの指摘が "面倒なことを押し付ける" だけのものだと現場が思うなら、

そんな現場、焼けちまえ!!

と、思うことはあった。


ただ、本当に焼けるとさすがに罪悪感はあるな。

本当に死傷者が出なくてよかった。
もし出れば、"焼けちまえ" と思った自分を責めるだろう。

しかし、これで現場も反省してくれればいいのだが、と思わずにはいられない。



ここは昭和時代がいまだ続いているような工場だ。

ノリと感性で働いているような人が多い。

データの蓄積なし、よって歴史なし。

会社ができて半世紀もたつというのに、なんら反省も歴史もない。

この火事が忘れ去られてしまうのも、時間の問題だろう。


この会社の腐れ具合。
なかなかに根が深い、と、改めて思った事件でもあった。



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