49座/百名山【旭岳】

予定より2時間半遅れて、旭岳ロープウェイ行きのバスに乗り、到着。
腹減った。北海道に来て、まだ酒しか飲んでねぇ。

ロープウェイ駅構内の食堂でメシを食う。
170906_ホルメン

金を払ってメシを食えるのはここまでだ。
あとは背負った分の食事しかできないのだから、しっかりと採っておきたい。
で、ラーメン(笑)
ホルモンラーメンを購入した。実際、ボクはホルモンもラーメンも同じくらい好き。
いろんな名物があるだろうが、それは最後の旭川観光に持っていこうと決めており、ここでは目いっぱい栄養になるものを食っておくに限る、と思って食っていたのだが…
後に知ったことだが、旭川のソウルフード…と呼ばれるものの中にホルモンとラーメンがあり、それを合わせて料理にしたものが『ホルメン』というのだとか。
マジか。
期せずして旭川を堪能していたことになる。運命だな(笑)

さて、自然の中に突入するための最期の準備だ。

水… 水が大事なのだ。
北海道は山に入ったら生水は飲めない。寄生虫がいるというのだ。
だから生で飲める水は重要。なんにでも即座に使える水は大事なのだ。

ということで3ℓ の水筒と、1ℓの水筒と、500mlのペットボトルに水を入れた。
山行の予定は5泊。理想は4泊。
登山行動中だけでも1日1ℓ 必要だと考えて、持てるだけ持つことにしたのだ。
これで4.5㎏… なんとか5㎏ を切ったか… と思っていたが忘れていた。
ビール2缶、700ml を積んでいたのだった。
総じて5㎏ 以上、持ってしまった。

ロープウェイに搭乗…しようとして職員に声を掛けられる。
「今から片道で登るんですか? 上で監視員に戻されるかもしれませんよ?」
どうやら時間が問題らしい。
15:15。
キャンプ地までMAX3時間予定で計画している。18時強ならまだ明るい。
「キャンプできるところまで遠いから…」
と、職員は言うが… どうやらボクの速度を知らない。

「大丈夫だと思ってますよ?」
「そう言えば監視員も通してくれると思いますけど…」

職員は心配げ。
これもあとからわかったことだが、どうも北海道の登山は内地のソレとは条件が違うらしい。
結構遭難者がいるっぽいのだ。

とはいえ、そろそろ計画に遅延はさせられない。
ボクは丁寧に自分の意志を伝え、ロープウェイに搭乗した。

紅葉が進んでいる。
ということは朝晩でかなりの温度差になるのか。
今、丁度良くても… これは警戒しておいた方がいいな、とか考えながら景色を眺めて10分ほどで到着。

同じく搭乗していた客に団体客がいたので、彼らの陰に隠れて進む。
監視員は団体客を制止して、トレッキングの説明を開始。
ボクもそれに倣う。あまり目立って登山を止められたくない。

説明が終わるや否や、颯爽と風のようにその場を去る。そして準備なしで登山開始(笑)
とにかく止められるのは面倒だった。その会話を持つこと自体、時間も取られるからだ。

170906_旭岳01

ロープウェイで上まで来る人はこれを見る。
旭岳の圧倒的な美しさは、池に映し出されることで2倍にも感じる。

旅の始まりはすでに終わっていたが、いわゆる "冒険の始まり" はここからだ。
心躍っていた。

登坂に差し掛かる。
手持ちで水3ℓ は重いが、2時間強だと思えばたいしたことはない。

170906_49座_旭岳

実際1時間40分で登頂。
旭岳、北海道で一番高い山だ。

17時を越え、気温も下がってきた。5℃だった。
霧も覆いかぶさってきて、寒さのレベルを上げてくる。
今日のキャンプ地、裏旭野営指定地が近いハズ。
すぐに降りよう。

1km あるかないか。
標高にして100m 下がったかどうかのところにソコはある。

ボクは暗くならないうちに到着できたわけだ。
ロープウェイ職員の心配は徒労に終わったわけだ。よかったな。17時半到着。

気温は4℃ になってきた。
手がかじかむ。
テントを張り、キャンプ着に着替えて食事の準備をする。
ロープウェイ食堂で食ったが、明日からのこともある。食べておくにこしたことはないのだ。

19時を越えたころ…
空はもう暗い。晴れてはいるのだが、旭岳山頂部は雲が掛かっていた。

そんなところからヘッドランプと思われる光が見えた。
「キャンプ者か? …遅い時間に来たもんだな、職員のヤツ、ボクにいろいろいう前にアイツら止めろよ!」
当然、ボクより遅くロープウェイに乗ってきたと考えられ、暗くなってキャンプ地に着くという危ない橋を渡る登山者は注意しなければならないと思った。…のだが。

「もう、泣きそうでした~(涙)」
と、語る女子と、その彼氏(白人男性)。
どうやら道がわからなくなっていたらしい。
山頂に着いたはいいが、ガスが濃く、周りが見えない。暗くなってきたからなおさらで、下り始めたはいいが、本当にこの方向で正解なのかがわからなくて不安でいっぱいだったらしい。

そんな中、ボクのLEDランタンの光が見えた救われたという。
「わざと光らせてくれたんですか~!」
そんなわけない(笑)。お前らが遭難しかけてたなんて知る術はない(笑)
しかし、ボクの行動が君たちの救いになったのであれば、それは良かった…と思おう。

このアベック、実は登りで見かけていた。
旭岳と池の写真を掲載したが、それを撮ったその時、その場所にいた二人だ。

女性の方は、今勤めている工場にいる子に似てるな…と思ったし、彼氏が白人男性だったのだ目立ったのだ。
あと、ただの登山者にしてはマットがデカかった。まるでキャンプにでも行くような… まさかな、と思いながら先を急いだのだったが…

彼らはボクより先のロープウェイに乗ったと推察できる。
ボクより足が遅かったし、追い抜いたからだ。
ということは、職員の心配は当たったことになる。
こういう人もいるのだ。
危ない橋を渡った…が、まずは到着してよかったな、としておいた。

怖い思いをした後に、だから言わんこっちゃない! なんて叱ったら悲しくなってしまうだろう。
まずは良かった!! 生きててよかった!! 到着してよかった!!

もう寒い。
テントを早く張って、暖かい食事を採った方がいい。
安心してもう休みなさい。

北海道登山の怖いところを垣間見たようだが、自分のことじゃないので身に染みたわけじゃない。
…が、これが序章だということは、後から気が付く。

冒険は希望だけじゃない。

とりあえず、明日からの本番トレイルに備えて、就寝するボクであった。


170906_旭岳MAP


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