1day短縮ロングトレイル

ボクには野望があった。

今回の縦走。予定では5泊6日のハズだが、4泊5日にしたかった。
北海道滞在は7日間。
山が4泊で終われば、二晩自由になれる。
ひと晩目は麓の町で装備を乾かしたりきれいにしたりしながらキャンプして星空を眺め、ふた晩目は街に繰り出し魚介などで呑みたかった。

と、いうことで、どこかで無理をしないとならんかった。
それが今日、なのだ。

170907_1day短縮ロングトレイル01
朝4時起き。
さ、寒い。温度を見ると0℃ の表示。寒いハズだぜ。
野営地に張られたテントはボクの物も含めて3張。
昨日ボクより早く入って、すぐに就寝していると思われるテントの男性はもう準備を終えようとしていた。
写真は5時頃の、彼が登りはじめたときに太陽が上がったのでカッコイイな、と思って撮った写真だ。

ボクも予定通り、朝ラーメンを食べて撤収作業に入る。
6時、出るころになって昨晩遭難しかけたアベックとルートの確認をして別れた。
朝から笑顔で送り出されるのはいいことだ。
今回の山行。この後、同じ地に泊まった人はいないので、これが最初で最後の登山者とのコミュニケーションになったな(笑)

170907_1day短縮ロングトレイル02
広い。
広いよ!! 北海道!!

広大で壮大なフィールド。
山の稜線なのにこの広さ。気分は外国(行ったことないからイメージだし、名前もでねぇ)、北欧かっ!

登山者は少ないが、ボチボチ歩いている。
挨拶を交わしながら、晴れてよかったですねー、なんて言って笑顔で歩けた。

白雲小屋を過ぎたあたりから人けがなくなる。
みんな小屋横の山に登っていた。
トムラウシ山への縦走をする人はいないようだ。
ここをトレイルする人はいないのだろうか?

…が、今日は強行日。休みはない。
腹が減ったら歩きながら行動食を摂り、水で流し込んで腹を膨らます。
5時間ほど経って、足が痛くなってきたが、いつものことだ。気にしない。

しかし疲れてきた。
と、共に空も曇ってきた。
15時を越え、気温も下がり始める。
そんなころ、ようやく人に会う。
向うから来た人だ。
挨拶だけしたが、本当にこの縦走路は人がいない。
不安になるくらいだが、地図にも乗っているし、登山道も明白。木道だってあるくらいだ。
だから不安はないハズなのだが、こうも人がいないと気になるものだ。

誰からも見られていないこともあって、大いにバテてきた。

日没まであと2時間だというのに、目的の野営地まで数キロある。
3時間で着くか?

170907_1day短縮ロングトレイル03
この沼にも野営場があるが、ここはすでにパスしていた。もう一つ先まで行きたい。

この縦走路、野営地の間隔が結構長い。
1つパスすると5時間くらい歩かないと次の野営場に着かない。
予定ではこの沼の前の野営地で休むハズだが、無理をしている。

170907_1day短縮ロングトレイル04
疲れがMAX。足の痛みもMAX。
ヒイヒイいいながら登ったり下ったり…平地を歩いたり。
とにかく遠くまで道が見えるので道のりが長く感じる。

もう、このころには幻聴や幻が見えるような気がして…
「くっ、上昇負荷がキツイ… アビスの呪いかっ!」(現在絶賛放送中!【メイドインアビス】より)
「この岩石群のなかに、必ずメガンテ使えるやついるハズ…」(ドラクエ・爆弾岩より)
とか考えたりしている。
自分ひとりと言えども、ユーモアなしではやってられない状態だった。

そろそろ辺りが暗くなってくる。
18時にトムラウシ麓に到着するが、これからひと登り、、というわけにはいかないだろう。
丁度いいことに、迂回したすぐ先が今夜の野営地だ。
今日はトムラウシを外して、すぐに野営地に向かおう。

ヘッドランプこそ点けていないが、あたりはもう暗い。
暗いということもあり、もうすぐ野営地で集中力が切れていることもあったのだろう。
数百メートルというところで3回も道をロストしてしまった。
もう苦笑いしかでない。

170907_1day短縮ロングトレイル05

ランプを点灯させずに済む、ギリギリの時間帯で 南沼野営指定地 に到着。
18:30 頃到着。
6時に裏旭を出てこの時間。
休憩はトータルでも2時間くらいだろう。

重たい足を引きずり、テントを張る。
どうやらこの野営地はボク一人のようだ。
先ほどの沼は2張、双眼鏡で確認できた。この場所は人気がないのだろう。
ま、あると思われた水場がないのだから人気がないのも仕方がない。

すぐに食事に取り掛かり、2本持ってきたビールの1本を飲むことにした。
今日のボクはがんばった。が、計画としては無茶で失敗だった。
どんなことがあってもナイトゲームに入らないようにしなければ。
だって、暗くなっただけで道をロストしてまうんだから…

昨日、暗くなって降りてきたアベックのことを思い出す。
「人のことなんか、全然言える立場じゃないな」
とにかく猛省してビールを煽るのだった。

とはいえ、2日分の工程を今日1日で終えられた。
これで1泊稼げたかもしれない。

今後どんなことがあるかもしれない。時間は貴重だ。
ムリした成果は確かにここにあった。

肩、腰、足、足裏… 痛いところはたくさんある。
明日も歩く。
食事を作りながら、とにかく整理体操をし、ストレッチをした。
少しでも、明日に繋げられるように…。


その晩は曇ったり晴れたり。
満月の空に星は少なかったけど、トムラウシの影が濃く浮き出て、爽快だった。

広い野営地で独り。
寂しい感じはしたけれど、この地を独り占めというのは悪くない。
人目も気にせず、楽しく過ごせたひと晩だった。

170907_1day短縮ロングトレイルマップ


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